喪失の後に思ったこと。
愛猫を見送ってから、しばらくのあいだ心にぽっかり穴が空いたような、魂が抜けたような生活をしていました。
朝起きて、何かを食べて、必要最低限のことをして、また眠る。そんな日々が続いて、時間だけが無機質に流れていく。
でも、どれだけ心が止まってしまったように感じても、現実は待ってくれません。
仕事はしなければならないし、描きかけの絵もある。
最初は「やらなければならないからやる」という義務感だけで筆をとっていたけれど、気がつけば、少しずつ自分の感情を絵にのせていたことに気づきました。
人間って、本当に悲しいほど適応能力が高いんだなと思います。
どんなに辛くても、生きることに慣れていってしまう。
だからこそ、意識的に自分の心と向き合わなければ、大切なことを見失ってしまいそうになる。
改めて感じたのは、私はやっぱり「描きたいものを描きたい」ということ。
誰かのためでも、評価のためでもなく、自分のために、心の奥底にあるものをすくい上げて形にすることが、私という人間の根っこなんだと再確認しました。
私はアーティストだから、私自身のために描くことで、自分を少し癒すことができた。
絵は言葉にならない想いを伝えてくれるし、寄り添ってくれる存在でもあると、今回ほど実感したことはありません。
現在、原画の販売とオーダー制作は年内いっぱいはお休みしています。
来年から再開する予定ではあるのですが、正直なところ、特にオーダーの方については少し迷い始めています。
誰かのために描くことはとても尊いし、光栄なことでもあります。
でもその一方で、今はもう少し、自分の心の声に集中したいという気持ちもある。
それはワガママなのかもしれないけれど、「アーティストとしての私」と「人としての私」の両方を大切にするためには、今このタイミングでこそ必要なことのような気がしています。
でも一方で、ペットを心から愛している人たちや、私と同じように大切な存在を失った人たちに、少しでも寄り添える作品が描けるなら。
そんなふうに思うこともあります。
これからも、私の絵を好きでいてくれる人たちに感謝を忘れずに、
そして何より、私自身を裏切らないように、活動を続けていこうと思います。

haruna manaka/おはるのあーと
instagram: https://www.instagram.com/harl8091